Total count 16
-
2019年の秋にオープンした赤糖は、小豆を主材料にトレンディな味を披露するカフェである。ARC・N・BOOK、聖水連邦などの空間キュレーションでよく知られている企業、オーティディコーポレーションがローンチした。「赤糖」は「適当な刹那を作る」というスローガンで、赤豆で作った茶菓子を販売している。小豆は豊富な鉄分で貧血に効き、ビタミンB1が脂肪を分解してダイエットにも役立つとされている。料理サバイバルプログラムである「マスターシェフコリア2」で準優勝したシェフ、キム・テヒョンさんが運営している。メインメニューであるヤンゲン(羊羹)は、長時間念入りに小豆を炊いて、様々な材料を加えて独特の風味がある。栗ヤンゲン、緑茶ヤンゲン、ミルクティーヤンゲン、ヘーゼルナッツヤンゲン、黒糖ヤンゲン、オレンジヤンゲン、ラズベリーヤンゲン、ピスタチオヤンゲンなど、既存のヤンゲンをより一層洗練させ再解釈してことから注目を集めている。ヤンゲンにさらに健康的で美味しい材料を組み合わせて新しい味を披露している特徴がある。飲み物の中では小豆ラテが断然人気を得ている。甘すぎず、口の中に広がるほのかな味は、老若男女を問わず人気がある。他にも果物茶、エルダーエイドなど様々な飲み物を楽しむことができる。竹の見えるガラスの窓の近くに座り、陶器のお皿にきれいに盛られるヤンゲンを楽しんでみよう。複雑な都心の中で静かな時間を過ごせる。
-
ホンデ(弘大)近くにある、旬の料理を出すカフェ「スカラ」のオーナーとマネージャー、そしてスタッフが力を合わせて「キュン(Qyun)」という発酵カフェをオープンした。ここでは菌を活用して発酵・熟成させた材料で独特のサンドイッチや飲み物を披露している。植物性材料を直接発酵させて作ったペーストや漬物などの販売もしている。蒸し野菜としそバーニャカウダ・ホットサンドは、大関嶺の秋大根と江華のレンコン、宝城のかぼちゃを蒸した後、しそ発酵ペ-ストとバーニャカウダソースを加えて焼いた物である。奇跡の野菜と呼ばれるビートで作った「本日のスープ」も印象的である。忠清南道の洪城で栽培したビートを煮込んで、塩麹で味を加えた濃いピンク色のスープに植物性キャッシュ発酵チーズをのせる。ジンジャエールは、居眠りを我慢しながら直接栽培したショウガを一晩中煮込んで作ったジンジャーシロップや、済州の農場のレモン搾汁液で味をつけた。美味しく食べていると、発酵の魔法ですぐにでも元気になれそうな気がする。発酵の知恵を経験できるワークショップに関する情報は、インスタグラムで確認できる。
-
天と地の間、自然に順応したまま隠れている深い味を探し出した店がある。韓国料理の長年の知恵を基に、その大切さを積み重ねた「ガオン」である。ガオンは恍惚感を覚えながらも濃くなく、淡白でありながらもオシャレ心を忘れない。朝鮮で最高である王の食事をモチーフにした料理が特に際立っている。王の食事をテーマに山や川、海で季節ごとに得た材料を披露する。「最高の材料を探し出して、その材料の味を研究し、隠れている深い香りを伝えようとしています」とガオンの総括シェフ、キム・ビョンジンさんはそう語る。ガオンはグァンジュヨグループが運営している韓国料理のファインダイニングレストランで、4年連続「ミシュランガイド」で3つ星を獲得した。内部は食器とお酒、音楽、インテリア、サービスが完璧に調和している。韓国の食文化が、味そのものだけではないことを知らせるためである。ディナーでは、まず温かいお茶が出る。その次はどことなくケールジュースに似ている瓦松の汁が出る。ロブスターの身とキュウリ、マクワウリを松の実の汁であえた冷菜、わらで燻したプンチョンうなぎなど、コース料理の一つ一つに心がこもっている。最後のそば茶と米豆乳氷菓で口直しをすると、いつの間にか元気になり、新しい力が沸いてくる感じがする。
-
シェフのソ・ホヨンさんがオープンした清潭洞のモダンスタイル韓国料理、ファインダイニング「オルム」。「正しい」という意味の韓国語から取った名前である。「正直な料理を作る」という哲学を持ち、より新しい韓食に会うことができる。「オルム」の最大のポイントはすぐに見えるオープンキッチン。食材の手入れから、料理完成までの過程を確認できる。すべての料理はソ・ホヨンさんの手が加わり、完璧な料理を披露しようとするシェフの性格がそのまま反映されているともいえる。その分、自信があるということである。「オープンキッチンを選んだ理由は、お客様にすべてを見せるという意味もありますが、実は私がお客様のリアルな反応を見るためです。お客様の表情や反応、些細な手の動きなどを直接目で確かめ、すぐ料理に反映するためです」食材も両親が直接栽培したオーガニック野菜を使い、肉類も新鮮さのために近くの農家から直接仕入れている。オルムの料理は、ジャンルを超える創意的な調理法で完成される。海外で学んだ外国の調理方法を組み合わせて、慣れたようでまた新しい韓国の味を表現したのが特徴的である。その中には誰でも簡単に韓国料理に接することができるようにと苦心するソ・ホヨンさんの小さなディテールを見ることができる。好き嫌い分かれる伝統味噌や塩辛でソースを作ったり、香りと味がよく合う料理と絶妙にペアリングしたりして誰でも抵抗なく楽しめる。
-
看板もない付岩洞の静かなティールーム、「イウム・ティーハウス」に入ると窓の外に青々とした山と庭が見える。席に着くと代表のパク・ジュヒョンさんから「ソルウヨ」の茶のみと蓋碗が渡される。不要な動きがなく、静かで速くお茶を入れた後、はち蜜の香りがする「ドンバンミイン(東方美人)」の葉茶を湯呑みにそっと入れる。どうしたらお茶からこんなにも香りがするのだろうか。「台湾烏龍茶の魅力です。それぞれが持つ香りをできるだけ害さず、深い味を伝えます」日頃から台湾茶をよく飲んでいた3人の友達が共に経営するイウム・ティーハウスは昨年、台湾茶の輸入業者としてスタートし、今はティールームとして台湾烏龍茶愛好家の間でよく知られている。「プライベートなティールームで少数の予約のみ受け付けています。お茶を楽しんでいる方を対象にしているので、看板も必要ないんですよ」中国でプーアル茶を学び、台湾の政府機関である台湾国立茶業改良場で茶園管理業務を担当したというティーキュレーターのパク・ジュヒョンさんの話である。彼は、現地の茶園で最も良い時期に生産・加工したお茶を仕入れるために努力している。イウムで運営している「ティーテイスティングコース」に参加すると、より深みのあるお茶を試飲できる。お茶の専門家が3種類のお茶を選んでもてなすため、お茶の味や香り、茶園の特徴などを聞くことができる。
-
『薬食同源』。食べ物と薬はその根源が同じで、良い食べ物は即ち薬と同じだという意味である。朝鮮時代の宮中の肉処の一つだったセングァバン(生果房)では、王と王妃のために体に良い生果、煎果、茶食などの特別な食事を用意していた。そのセングァバンを現在のキョンボックンにそのまま再現した。『朝鮮王朝実録』に基づき、実際に王の食事であった様々な宮中餅菓と宮中薬茶を再現し、誰でも楽しめるプログラムを用意した。胸が苦しく煩熱し、喉の渇きに悩んでいた中宗に捧げたという5つの味を持つ五味子茶は、塞がっていた体の循環を一瞬改善させる。粛宗と英祖の健康のために作られた宮中薬茶「甘菊茶」は、煩悩がある時や腹が立つ時に心を落ち着かせる効能があり、香りも良い。ここに心を込めた薬菓と餅まで添えると、いつの間にか宮中茶菓を吟味する癒しの時間旅行に合流した自分に気づく。さらに、きれいな韓服姿のナイン(侍女)の優しい案内も旅行者の心を励ます。毎年特定期間のみ開かれる空間で、キョンボックンを歩く途中まるでプレゼントのようにセングァバンにたどり着くかもしれない。その時は、必ず朝鮮時代の王家の品格あるデザートを味わい、心身の幸せを感じてほしい。
-
昔の料理書に基づいて「宮中料理」と「パンガ」、つまり貴族家の季節料理を紹介するお店がある。このシーズンは朝鮮末期の料理書『時宜全書』に記された料理を再現している。ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』で宮中料理を総指揮したキム・ジヨンシェフの空間、「Gyuban」である。宮中のボクダルイム(伏日、暑気払いとして肉を煮て食べる風習)の食材であったニベで作ったミョンオ・ピョンチェとサンチュサムのチョンリチャンガが順に出る。このチョンリチャンガは『時宜全書』に紹介された肉盤の形式に沿っているが、トントンとスライスして味付けしたということで名付けられたチャントクトクイ、最高級の牛ロースを味付けして焼いたノビアニ、節味テンジャンチョッチなどと葉野菜が一緒に出る。「根拠のない食べ物を想像したりはしません。本を探し、研究論文も結構読みます。専門家の話も聞いたりします」メニューは大きく分けて2種類ある。旬の食品と「時節食」を中心とした定食である「オチャン」、夕食会やミーティングのためのコース、または韓定食の「マンチャン」である。その日の一番新鮮な旬の食材で料理を作るが、材料は全て当日配送、当日消費が原則。「Gyuban」は3つのプライベートルームが用意し、事前予約制で運営している。 新鮮な味のために食材は予め手入れをせず、冷凍保存も認めていない。そのため、決まった人数のみ受け入れる。
-
全面ガラスの窓からソウルの森が見える、2階の空間にある広いティーバーが目を引く「マッチャチャ」。ソンスドン(聖水洞)にあるマッチャチャは、抹茶を始めとするスペシャルティーを披露している。 代表のイ・イェニさんは「一杯のお茶と共に平穏な瞬間を感じること、地味な幸せを感じることを祈っている」と話す。お茶の専門家の案内通り、葉茶を先に飲んでみた。鼻先に触れて気持ちまで良くなる芳ばしい香りと、口の中にほのかに広がる繊細な味が感じられた。緊張していた体と心がお茶の香りで緩む。さらに、ちょうどいいぐらいのお茶の温もりが心まで溶かすような感じも経験できる。マッチャチャは、韓国の茶園で生産したシーズン別のスペシャルティーと茶菓子で構成されたティーコースを提供する。NAVER予約で1人または2~3人で、ティールームでのプライベートティーコースが楽しめるメリットがある。1日クラスは葉茶と抹茶に分かれている。また、参加者がお茶と茶菓子をしっかり楽しめるように専門家が案内する。90分間、お茶の香りで満ちた空間で穏やかな時間を過ごせる最高の機会である。